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27.ジョン・スラデック 蒸気駆動の少年

Steamboyは大友克洋、こちらはSteam-driven-boy。河出書房新社の奇想コレクションの一冊である。「蒸気駆動の少年」(1972)=表題作の短編は、スラデックらしい複雑怪奇なタイムパラドックスものの怪作。いややはり傑作というべきか。

「子供を本部へ連れてくるはずなのだが」とチャールズ・コン隊長は言った。「だが、あいつは姿を見せなかった。それにアーニーはいまだに権力の座についたままだ。どこをまちがったんだ?」
「タイマーが故障したのかもしれません」とチャスが意見を出した。「それとも時転車降りる場所をまちがえたのかも。それともパンクしたのかも――どんなことだってありえますよ」
「もう戻ってなきゃならないはずなんだ。五十年時間を遡るのにどのくらい時間がかかるっていうんだ?」(中略)「カールについては――何が起こったかは我々の手でじきにつきとめる。さあ行くぞ!」
そして、深く低い声でタイム・パトロールの歌をうたいながら(確かに馬鹿みたい、と自分たちでも思った。だがそれが大統領の命令なのだ)、それぞれ輝く時間自転車に乗りこみ、ハンドルにつけたキッチンタイマーを合わせるとペダルをこぎはじめた。(柳下毅一郎訳)


スラデックは奇想の作家である。異端の作家である。一応、SFの範疇で考えればいいと思うが、実際は、分類が不可能で、どのジャンルにも入らないような、変な話を書く。
しかし、だからといって、難解と言うわけではない。ポストモダンの作家のように高邁な理念の基に書かれたというわけではないと思う。ただただ奇妙でばかばかしくて突飛な話ばかりを書く。そして、もちろん、「蒸気駆動の少年」も、そんな話なのである。しかしまあ、ここに登場するタイムパトロール隊のくだんないこと!念の為、これは褒め言葉ですから。

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