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☆ 諸星大二郎 孔子暗黒伝

諸星


宇宙はビッグバンから始まり、現在も膨張し続けているという考え方(膨張宇宙論)は、現在多くの合意を得ている。しかし、永遠に膨張を続けるのか、いずれ収縮に転じ宇宙の終焉(ビッグクランチ)を迎えるのかについては、なお意見が分かれているらしい。

この論議の行方はともかく、『青方偏移』という言葉がSF小説のテーマとして多く取り上げられてきていることは確かである。拙ブログの中でも、プランク・ダイヴ(イーガン、№218)、シャンタラム(ロバーツ、№279)、そして孔子暗黒論(諸星)と、関連本は三作を数える。もちろん、この言葉が、<宇宙の縮小>と、<世界の終焉>を象徴するものとして最適だからなのだろう。

「インドの宇宙論で無量説というのをしってるか?
それによると 宇宙は、成劫、住劫、壊劫、空劫の四段階を、永遠にくりかえすというんだ。成劫はビッグバンだ。住劫は赤方偏移で象徴される今のおれたちの膨張宇宙・・・、それが青方偏移となると壊劫の収縮宇宙となり、最後は空劫・・・、宇宙の終焉のブラックホールの特異点だ。物理学の宇宙論とそっくりじゃないか!」
「 きみは疲れてる。後ろのシートで少し、休め」
「おれが宇宙病だと思ってるんだろ?まあきけよ!
現代の科学は宇宙の本質について、実は、まだほとんど何もわかっちゃいない。それでもどこかに真実はあるはずだ。そしてその”真実”を、各時代の最高の知識人たちが色いろな言葉で表現しようとする。
古代中国人は「易」や「老子」で・・・、インドのバラモンは「ヴェーダ」や「ウパニシャッド」で・・・、そして現代の科学者たちは、数学や物理学の言葉で・・・」
「群盲、象をなでる、というやつさ。どれも真実の一部を不完全にしかいえないんだ」
「おれには科学の言葉が、一番不完全に思えるがね・・・」
(諸星大二郎 孔子暗黒伝)



諸星大二郎の伝奇コミックは、どれも濃密で読み応え十分である。というより濃密すぎるのが唯一の欠点であるなんて言いたくなるほど。『孔子暗黒論』(1977-78)もそういう一冊である。読後の満足と疲労感が比例する感じ。ぷふぁあ。



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