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260. ジャック・ロンドン 影と閃光

「影と閃光」(1903)、短篇集『火を熾す』に所収。・・・ここには、すべての色を吸収する<黒>を作ろうとする男と、それに対抗して、あらゆる光線を通過させる完璧な<透明>を作ろうとする男が登場する。

「白色光は七つの基本色で出来ているが」と彼は僕に講釈した。「白色光自体は、それ自身においては不可視だ。物に当たって反射することによってのみ、光も物も可視となる。だがそれもあくまで、反射した要素だけが可視になるのだ。たとえばここに、青い煙草入れの箱がある。白色光がこれに当たれば、一つの例外を除いて、白色光を構成するすべての色  菫色、藍色、緑、黄、橙、赤  は吸収される。唯一の例外が青だ。青だけは吸収されずに、反射する。ゆえにこの煙草入れは、青さの感覚をもたらすことになる。ほかの色が見えないのは吸収されてしまうからだ。(中略)
「家にペンキを塗るとき、我々は色を塗っているのではない」とロイドはまたあるとき言った。「我々が塗っているのは、家をその色に見せたいと思う以外の全ての色を白色光から吸収する特性を持つ物質だ。その物質がすべての色を目に反射すれば、それは我々から見て白く見える。逆にすべての色を吸収すれば、黒く見える。だが前にも言ったように、我々はまだ完璧な黒を持っていない。すべての色が吸収されてはいないのだ。(柴田元幸訳)


<不可視>を獲得しようとする二人の男の競争と対立は、どんどんエスカレートし、驚くべき結末を迎える。しかし、その結末部よりも、面白かったのは、二人の研究につきまとう”代償”の方である。完璧の筈の黒は、いつまでも影を残すために実際には不可視とはならず、完璧の筈の透明も、途中で虹のような閃光に行きあたってしまうという問題を抱えてしまうのである。



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