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275. イタロ・カルヴィーノ 無色の時代 

連作短編集『レ・コスミコミケ』(1965)は、カルヴィーノの第三短編集。Qfwfq老人が語る宇宙規模の法螺話をまとめたもの。「無色の時代」も、その一篇である。
  大気圏と海洋が形成される以前の地球は、宇宙空間を転がっている灰色のボールといった様子であったらしい。Qfwfq老人によれば、"ちょっと単調だったな、どこを見たって灰色ばかりだったさ"というのである。

隕石が一つ空を過ぎって、その軌跡が太陽の前を通過した。流動状のまま燃えあがるその包被が、一瞬、太陽光線にたいするフィルターの役割を果し、突然、世界はこれまで一度も見たことのない光に包まれた。青黒い深淵がオレンジ色の断崖の足もとにひらけ、青紫のわしの手は緑色に燃えているあの流星を指さし、その一方、言い表すべき言葉すらない想念が、必死にのどを突いて出ようとしていたのだ。
「これ、君のため!これ、ぼくから、君のため、そう、今、ほんとうに、これ、美しい!」
(米川良夫訳)


そうした無色の時代に彼はひとりの美しい女性アイと出会い、そして色彩の誕生のときを目撃する。ところが、青や黄や赤の色と引き換えに、アイは姿を消してしまうのである。
・・・カルヴィーノが書いたこのSF譚のようなものは、気が遠くなるほど美しく、幽玄で、ポップで、そして可笑しい。



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