スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

288. メイ・サートン 海辺の家

「海辺の家」(1977)は、彼女の62-63歳のときの日記を本としてまとめたもの。先に出た「独り居の日記」の続編である。アメリカ、メイン州の海辺に立つ家に引っ越した彼女は、ここで改めて創作に打ち込みはじめる。

二月十四日 金曜日
この書斎の窓から見下ろすと、テラスの下方にタマスとブランブルの足跡が、美しいレースのように雪をぬって環や円を描いてくねっているのが見える。庭を区切る低い塀のむこうには、野原の広がりが眩しい白に輝く。そしていま、暗い花紺色の海は、南の島々に向かって幅広い帯のように広がり、太陽がきらめく飾り鋲をうちこんだ。 
青はなぜ色のなかの色なのだろう。ほかの何色が、青と同じときめきをもたらすだろうか。青い花々  一年草のなかではことに、アルパイン牧場のりんどう、夏野のデルフィニアム、忘れな草、矢車草  はいつも、はっとするほど美しく、この上なく貴重に思える。さらに言えば私はいつも、青い目の人々に惹かれてきたのではないかと思う。それにラピス・ラズリ。これはフラ・アンジェリコの使ったよほど淡い、驚異的な青で、母がよくフラ・アンジェリコの青と呼んでいた。雪の上の深い青色の影。ブルーバード。私は土手路をドライブしながらかわせみを認め、その青い翼のひらめきを見たときこんなことを考え、灰色の日々の青い海を見て悦びにひたされた。(武田尚子訳)


海辺の家に住んでいるのであるから、当然、日記には、毎日のように海についての描写が出てくる。・・・ここで彼女は、”巨大な青い花のように”海が明けてゆくのを見つめ、海の与える大きなやすらぎに慰められて、生きているのである。

ちなみに、フラ・アンジェリコ(1390/1395年頃-1455)は、主に宗教をモチーフにした絵を描いた。
"アンジェリコ"は、「天使のような人物」という意味である。

関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。