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294. リング・ラードナー 微笑がいっぱい

パウダーブルーのマリッティマ=フラスカーティ(ヴォネガット)のお次は、黄色のふち取りをしたブルーのキャディラックの登場である。

去年の夏ごろいつも賑やかな五番街と四十六丁目の角にいた交通巡査、ベン・コリンズという名だが、この男を見ていると、交通巡査という稼業がさほど不愉快でなく思われてくるから不思議だ。(中略)このペン・コリンズは、人を叱っている時でもいない時でも、心から人生を楽しんでいるという感じなのだ。雀斑だらけの大きな顔は明るく輝き、どんな厄介な事態に直面しても眉ひとつ曇られることはなかった。(中略)
ところが、九月のある朝、ピカピカで、真新しくて、黄色のふち取りをしたブルーのキャディラックが、あらゆる常識の法則と、ニューヨーク州の法律と、ニューヨーク市の法律をことごとく破って、北の方から稲妻のように走ってきた。四十八丁目の巡査カーモディも四十七丁目のヌーナンも笛を鳴らし、大声をあげたが、この気狂い運転の車をとめられなかった。ペンはこの車を目にすると、まずその大きな身体で車の行く手に仁王立ちになり、速力を落とすか、もろにぶつかるか、二つに一つと思わせておいて、それからあわやという時に、大きな図体がよくあんなに機敏に動けると思えるすばやさで身をかわして車のステップに飛乗り、そのまま誘導運転してみごと四十六丁目と四十五丁目の間の道路わきに停車させた。(加島祥造訳)


・・・もちろんこの青いキャディラックには女性が乗っていた。世の中のありとあらゆる笑顔を永久にぺしゃんこにしてしまうような美しい笑顔の持ち主だったのである。偏愛する作家リング・ラードナー(1885-1933)の「微笑がいっぱい」(1928)、邦訳は短篇集『アリバイ・アイク』(新潮文庫)に所収。


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