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295. ボルヘス 青い虎

「青い虎」は、短篇集『パラケルススの薔薇』(1980)に収録の一篇。この作品集は、ボルヘス自身が編纂に加わり、イタリアで刊行された、<バベルの図書館>という叢書の一冊である。編者(フランコ・マリーア・リッチ)によれば、この本は、≪「青色」と「薔薇色」が主調となっている。それは誕生と文学の色であり、天から失墜して、盲目の闇の中に再び慰めを見出した精神の色である。≫、というのである。

小屋へ帰り着いて早速、私は上着を脱いだ。ベッドに横になり、ふたたび虎の夢を見た。その夢のなかで例の色をじっくり観察した。それは、以前に夢見た虎の色であり、大地の小石の色だった。高く昇った太陽の光線を顔に感じて目が覚めた。ベッドから起きあがった。はさみと手紙が丸い小石を取りだすじゃまをした。まず一握りのものを掴みだした。まだ二回分か三回分はありそうな気がした。くすぐるような動き、ごく小さな震えが私の手に熱を与えた。手を開いてみると、丸い小石は三十、いや四十もの数に増えていた。十を越えてはいないと誓いたいような、私はそんな気分だった。それらを机の上において、別のものを探った。これらもまた数が増えていることを確認するのに、いちいち数える必要はなかった。が、すべてを集めて山にしてから、私はひとつひとつ数えてみようとした。
(鼓直訳)


「青い虎」、晩年の作品だけに、自由自在の筆の運びである。虚実だけではなく、あらゆるものが綯い交ぜになっていて、その分だけ物語の風味が増し、その分だけ少し難解でもある。もとより、これを読み解こうというつもりもないんだけどね。



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