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296. マヌエル・プイグ 天使の恥部

「天使の恥部」(1979)は、プイグの小説、第五作。
デビュー作から順に並べると、「リタ・ヘイワースの背信」、「赤い唇」、「ブエノスアイレス事件」、「蜘蛛女のキス」、と来て、本作。
・・・どれも独特である。この小説にも、サスペンス、SF、ロマンス、ポリティカル・フィクション、いろんなものが詰まっている。

明るい鐘の音につられて顔を向けると、手摺のついた道の向こうに湿気と蔦に覆われたチュリゲレスコ様式の礼拝堂が見える。その眺めが気に入ってテーブルについたが、テーブルの上にはすでに様々な色の朝食が準備されていた。マメイの実の赤は嘘みたいな色だった。朱色それとも珊瑚色、紅色、ヒナゲシの赤、ガーネット、深紅それともカルミン? それに、アポカードは海緑色にマラカイトグリーン、暗緑色と彼女はつぶやく、パパイアは硫黄色かカーキ、それともシナモンかサフランの色、ナツメヤシの実は陽射の加減で煙草色、褐色、焦茶、栗色、ブロンズ色に変わる。神経質な女優は青い色が見たくなり空を見上げた。ターコイスブルー、藍色、インディゴ、空色、瑠璃色と、世界的に有名な睫を上下するたびに空の色は変わった。
(安藤哲行訳)


物語には、三人の女性が登場する。世界一の美女である映画女優、未来都市の治療師であるW218、アルゼンチンを逃れ1975年のメキシコ・シティで病に伏すアナ、・・・ぼんやりと読んでいると、この三人がそれぞれ過去、未来、現在に生きるという設定だということも、そして実はこの内二人は○○であることも、うっかり読み損ねてしまっていたりするのだから。呑気によろこんだり楽しんだりしていると、落とし穴に嵌ってしまうんだもの。



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