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299. レーモン・クノー 青い花

物語の冒頭、オージュ公とデモステーヌ(ペルシュ産の名馬)との会話は、いきなり核心にふれる。3ページ目にして早くも、”青い花”が登場するのである。


「おお!わがデモよ!」とオージュ公は歎かわしげに言った。「わしはこんなにも悲しく、憂鬱的であるぞよ」
「あいかわらず歴史でございますか?」とステーヌは言った。
「歴史がわしの心のうちですべての喜びを枯らしてしまうのじゃ」と公爵は答えた。
「元気をお出しあそばせ、殿さま!元気をお出しを!さあ鞍にお乗りあそばせ、そしたら散歩に出かけることにいたしましょう」
「いや、まさしくそうしようと思っていたところじゃ。そしてそれ以上のことをな」
「と、申しますと?」
「幾日か旅に出るのじゃ」
「これはたいへん気に入りました。で、殿さま、いずこへお連れいたしましょう」
「遠く!遠く!ここでは泥がわれらの花々でできておる」
「・・・青色の、でございましょう。でもとにかくどこへ?」
「よきように計らえ」(滝田文彦訳)


「青い花」(1965)、発表当時はすこぶるつきの実験小説であったはずだが、今読むとむしろその独特の可笑しさに感嘆する。遊びの感覚が独特で飛びぬけている。ラブレーがちょっと400年ほど長生きをしていればこんなふうな小説を書いたかもしれないと思ったり、主人公の二人が入れ替わりに登場するってのは歌舞伎の二役早変わりのようで愉しいったらないなとか、そんなことを思っているうちに読み終わってしまう。だから、ちょっともったいなかったかな。


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