305. カーター・ブラウン 女闘牛士

「女闘牛士」(1957)は、『私立探偵メイヴィス・セドリッツ』シリーズ、いや『超グラマーでブロンドの髪に青い瞳をしマリリン・モンローばりのプロポーションと色気を誇り海兵隊員から教わったという空手で言い寄る男を撃退するが頭脳の方は今ひとつの女私立探偵メイヴィス・セドリッツ』シリーズの第四作である。シリーズの特色は、①速く読めること、②ついにやにや笑ってしまうこと、③御都合主義の結末に呆れること、などである。けだし名作と言える。

メキシコ・シティなんてサインを見なくっても、自分がメキシコにいるんだなってことは、すぐわかる。ホテルのむかい側には、プラサ・デ・トロスと書いた大きなサインがあるし、そこにはメキシコ人がどっさりといるんだから。プラサ・デ・トロスというのは、つまり闘牛をやるところだ。その闘牛を見物するのが、あたしのメキシコへやってきた目的だつた。闘牛には、なにか真実の瞬間というものがあるらしい。あたしが闘牛を見たいと思ったのも、そのためだ。それはきっと、女の子がときどき自分のアパートで、真夜中すぎに発見するのと同じようなものだろう。
ホテルの自分の部屋の窓べに立って、あたしは通りをへだてた闘牛場を、じっと見ていた。最高にロマンチック。あたしはうんと息を吸いこんで、思いきり吐きだした。そのとたんに、やっちゃったんだ  ストラップを切ってしまった。
(山下輸一訳)


「女闘牛士」の舞台は、メキシコシティである。訳者によれば、どうも作者は彼の地に行ったことがないんじゃないかと、そんな気がするとのこと。おっと、ポケミス一冊、20分で読めちゃった。



にほんブログ村 本ブログ 海外文学へ







関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新コメント
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク