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306. R・A・ラファティ 大河の千の岸辺


登場するのはレオ・ネーション、金持ちのインディアン、収集癖がある。収入をぜんぶコレクションにつぎこんでいる。今、夢中になっているのは、「世界一の長い絵」を集めることだ。それは長さ6キロメートルの精密な写実画である。わけあって、絵は、切れ切れになり、多くの部分はメキシコにあるらしい。その絵には、長大なミシシッピの川岸の光景が、描かれているのだが。

もとのそれは、とても長くて、不規則で、信じられないほど入り組んだ詳細な川岸だった。やがて、そこに奇妙なことが起きた。切り刻まれて、こまぎれにされたのだ。ある断片は折り畳まれ、圧縮されて梱包になった。べつの断片は心棒に巻きつけられた。またべつの断片は、よりいっそうこまぎれにされ、装飾やインディアンの薬として使われた。巻かれたり、梱包されたりした川岸の断片は、それぞれ納屋や古い倉庫、屋根裏部屋や洞窟に落ちつくことになった。あるものは地中に埋められた。
にもかかわらず、大河そのものは。まだ物理的に存在しているし、その岸辺も存在しているから、調べようと思えばそこへでかけて調べられる。だが、あなたがいまその大河の流れにそって見いだす岸辺は、折り畳んで梱包にされたり、心棒に巻きつけられたりした古い岸辺とまったくおなじではないし、屋根裏部屋や洞窟で見つかる岸辺も、まったくおなじではない。
(浅倉久志訳)



「大河の千の岸辺」(1970)、邦訳はSFマガジン1992年4月号に所収。
・・・ラファティらしい”ほら話”である。吾妻ひでおによる挿画もぴったしで、楽しく読める。訳者解説によれば、ラファティの作品は、『モダン・ホラ』と分類されるらしい。




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