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321. アヴラム・デイヴィッドスン どんがらがん


デイヴィッドスンは不思議な作家である。ミステリ(MWA賞)、SF(ヒューゴー賞)、ファンタジー(世界幻想文学大賞)の3ジャンルで、それぞれ傑作短編を書き、賞を得ている。作品も不思議なものばかりである。というか、わけわかんないものばかりである。というか、ミステリでもSFでもファンタジーでもないものを書いた。
「すべての根っこに宿る力」(1967)は、デイヴィッドスンのメキシコ体験が生かされた作品だそうだ。邦訳は、短篇集 『どんがらがん』(殊能将之編) に収録。河出の奇想コレクションの一冊である。

サント・トーマス郡の警察官カルロス・ロドリーゲス・ヌーニェイスは、ドクター・オリベーラの診療所の個人待合室にすわり、いまの自分の立場について思案していた。ひょっとすると、ここへきたのはまちがいだったかも。(中略)
   それで結果として面倒事を背負いこんだとしても、それを医者のところへ持ちこんだりはしない。祈祷師(クランデーロ)のもとへ持ちこむ。いまカルロスが思案しているのも、もしや自分もそうすべきではなかったか、と考えるからなのだ。
(深町眞理子訳)



メキシコを舞台にした小説らしく、ここにはひとりのクランデーロ(男性の呪術師、祈祷師)が登場して、われらが主人公の田舎警官カルロス・ロドリーゲス・ヌーニェイスを惑わせる。   主人公が警官だからって、警察小説じゃないよと書こうとしたのだが、編者によれば、この作品は、『呪術の実在さえ前提すれば、ミステリとしても筋が通っている』そうである。でも、そりゃあ詭弁である。こんなミステリがあるものか。これは、この作品は、ミステリよりももっといいものだと思うのである。




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