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323. レイ・ブラッドベリ つぎの番


「つぎの番」、短篇集『10月はたそがれの国』(1955)に所収。
登場するのは、一組の夫婦。アメリカからの観光客である。メキシコの小さな町に着き、古い彫像や建物やそして墓地のミイラを見に行こうとしているところ。

広場は町の小さなカリカチュアだった。それは、つぎにならべるような新鮮な要素からなりたっている。   キャンディの箱を連想させる演奏台、そこでは木曜日と日曜日の夜、音楽が爆発する。緑青の浮いた渦型模様の青銅ベンチ。青とピンクのタイルを敷いた遊歩道、   青は新しくいろどった女の目、ピンクは女の秘密、帽子箱そっくりに、フランスふうの刈り込みをほどこした並木の列。これらすべてを、ホテルの窓からながめていると、九十年代のフランス別荘を見るようで、新鮮なよろこびと、信じられないほどのファンタジーが湧きあがってくる。しかし、ここはフランスではない。メキシコなのだ!そして、このメキシコの小さな町の広場には、国立オペラ劇場までそなわっている。
(宇野利康訳)



『10月はたそがれの国』は、ブラッドベリの初期の短編である。中期以降のSFを中心とした作品集ではなく、ここに収録されているのは、怪異譚とでもいうような不気味な作品群である。「つぎの番」も、充分に気味が悪く不穏で怪しい小説である。救われるのは、これが文庫版で60ページ程度の短い話であり、また少しだけウイットのようなものが感じられるからである。これで100ページも書き続けられた日には、途中でもう怖くなって本を投げだしたかもしれない、そんな作品。



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『10月はたそがれの国』は、もう手元にない本ですが、ジョー・マグナイニの挿絵は、
いまでもはっきり覚えています。飾り破風の付いた物悲しい洋館の屋根とか、遠くの
電車路の高架だとか、あの木版画のような線描を模写したこともありました。

こんにちは

こんにちは
しばらく不在で返信が遅れました。いつもコメント、ありがとうございます。
ブラッドベリのこの作品集は、たしかに印象の強い本でした。・・そうか、ヨナデンさんにとっては挿絵の方も印象が深かったわけですね。


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Re: おはようございます。

ヨナデンさん、余分な心配をかけて申し訳ありませんでした。
これからもいろいろとコメントをいただけるとうれしいです。あらためてよろしくお願いします。





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