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324. マーティン&ドゾワ&エイブラハム ハンターズラン


「ハンターズラン」(2007)は、ジョージ・R・R・マーティン、ガードナー・ドゾワ、ダニエル・エイブラハム、三者の共作である。
このSF長編のいちばんの特徴は、(わたしが思うには、)主人公のラモンがメキシコ系の男だという点である。つまり、この作品は、”SFの主人公は、どうしていつも中産階級の白人ばかりなのか?”という、きわめてまっとうなテーゼについて考えることからスタートしたのだという。そこが、いちばん素晴らしいところだと思うのだがどうか。

いちばん最初にやってきて、この惑星にサン・パウロと名づけた第一次入植者は、みなブラジルからの移民だが、ポルトガル語を話すせいで、一般に”ポルトガル人”と呼ばれている。ポルトガルを訪ねたことがある者など、たとえいたとしても、ほんのひとにぎりだというのにだ。第一次入植者をそう呼ぶのは、大半がメキシコからの移民で、もっぱらスペイン語を話す第二次・第三次入植者たちだった。先に入植した”ポルトガル人”は、いまもこの惑星の政府と役所で高い地位についており、実入りのいい仕事を独占しているため、スペイン語を話す多数派は怒りをくすぶらせ、総督に代表される”ポルトガル人”を毛ぎらいしている。せっかく新天地にきたのに、二級市民あつかいされているのだから、彼らが怒るのもむりはない。総督像を載せた大きな浮揚山車が進んでいくにつれ、道路ぎわからつぎつぎに野次と嘲罵のコーラスが湧きあがるのは、そんな民衆のうっぷんがたまっているからだ。
(酒井昭伸訳)



物語は要約すれば、とある植民惑星で繰り広げられる主人公のラモンと異種族(異星人)やらなにやらを巻き込んだチェイス譚なのである。ずいぶん乱暴な設定と展開でこのぶんだと物語はいつかどこかで破綻するだろうと思って読んで行くと、これがみごとに面白さにはまってしまうことになる。だいたいSFってのはこれくらい乱暴でスピードとエネルギーにまかせてどんどん書きすすめていくような作品の方がきっと面白いんだな。そんなことを思わせる快作。



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