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326. ジェフ・ダイヤー バット・ビューティフル


「バット・ビューティフル」(1991)は、<ジャズの本>である。
ミュージシャンについての評伝というかたちをとりながら、実際は彼らについてのみごとな物語になっている。連作短編集のように、バード、ミンガス、モンク、バド・パウエル、レスター・ヤング、ベン・ウェブスター、チェト・ベイカー、アート・ペパーについての物語が並んでいる。といっても一列に並んでいるのではない。それぞれの物語が、それぞれに奏でられているのである。まるでリング・ラードナーが書いた野球小説のようにすこぶる愉しく、そして少し哀しい。

彼はメキシコに旅行をした。太陽が自分を解凍してくれないか、自分の血液の循環を封じ込めている積氷を溶かしてくれないかと思って。彼は太陽の下に座り、動きのない砂漠の熱気に囲まれ、その顔は大きなソンブレロのつばの陰に入っていた。彼の身体はとてもしんとしていたので、自分が息をしているということすら実感できなかった。まわりでは何ひとつ動かなかった。太陽はぴたりと留まった銅のシンバルだった。それは三日間にわたって、変わり映えのしない空の同じ場所に浮かんでいた。風もなく、砂の一粒さえ動かなかった。
(『彼のベースは、背中に押しつけられた銃剣のように、人を前に駆り立てた』、村上春樹訳)


ここには、チャールズ・ミンガスについての章の一部を引用した。怒れるミンガスの晩年の姿を描いた部分である。しかし、この辺りはさっと読んでしまえばいいと思う。晩年のエピソードに、ちょっと哀しくなるからである。少しページを遡ると、エリック・ドルフィが登場する大好きなエピソード描かれているからそちらを読み直せばいいと思う。・・・おっと、こちらも少し哀しい。わたしもメキシコの陽射しをあびたくなった。



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