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334. ルイス・J・ロドリゲス ラス・チカス・チュエカス――捻れた少女たち

ルイス・J・ロドリゲス(1954~)は、チカーノの作家、詩人。ロサンゼルス在住。
「ラス・チカス・チュエカス」(2003?)は、イーストLAの少女たちの物語である。主人公のノエミは、16歳の高校生、今、妹のレバーが入っているガールズ・ギャングの少女たちといっしょに車で出かけるところ。

レバーの巨体が助手席側の大半を占めた。ノエミは妹に比べれば小さかったから、助手席側の扉を背にして、身体を曲げて捻じこんだ。一瞬、ルナが同じ側から放り出される光景が浮かんだ。
「どうしてあんたたちみたいな変な連中とつきあうのが嫌か分かったわ」とノエミは言った。
「楽しいわよ、心配しないで」とグランシエラは答えた。
「きっと今日から私たちラス・チカス・チュエカスの仲間に入りたいって思うから」
「私は今の状態で十分捻じ曲がってる(チュエカ)けど」とノエミは返し、他の子たちを笑わせた。捩れた、ひん曲がったという意味を利用したノエミ流の「チュエカ」の言葉遊びだった。少女たちの使うチュエカスとは、狂った人生、イカレた脳みそのように、女の子が一般的に期待される、狭義な意味でのまじめな女ではないという意味だった。確かに彼女たちは違っていた。のんだくれの父親に虐待され、冷たい母親に屈辱を受け、激昂した兄弟に暴力を振るわれてきた彼女たちは。純粋なこころが耐えられないほど強い力で、あらゆる型に捻じ曲げられてきた。たいていの女の子よりも感受性が強いという理由だけで、酷く殴られ、性的暴行、言葉の暴力を受けた生存者(サバイバー)たち。それでも涙を見せずに立ち上がり、「誰も私を変えられない」と宣言できる子たちだった。
彼女たちは心が捻じ曲がっていても、壊れてはいなかった。
(江口研一訳)



作家自身も、少年時代は、チカーノ・ギャングだった。同じように、チカーノ・ギャングに入ってしまった息子へのメッセージとして、詩や小説を書き始めたという。
・・・というところでチカーノ・ギャングたちを撮ったみごとな写真集を思い出した。次回はそのはなし。



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