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335. ジョー・R・ランズデール バッド・チリ

メキシコ系アメリカ人という言い方を捩れば、”チリ”はメキシコ風アメリカ料理の代表選手である。ランズデールの作品はテキサス州を舞台にするものが多く、本人も東テキサスに住む。さだめしチリのような”テクス・メクス”料理が主食になるのだろう。・・・「バッド・チリ」(1997)は、文字通りまずーいチリを売る食品会社のわるーい社長(チリ・キング)が登場して、われらがハップ&レナードと渡りあう。

彼女は明かりを消し、おれはぱりっとした白い制服が暗がりの中を去っていくのを見つめた。彼女が出ていき、ふたたび雨音とともに残されたおれは、香水の残り香の中で考えごとをしながら、彼女の笑顔を思い出していた。
考えごとの中の重大事は、おれのケツだった。これまでのところ、注射は麻酔と狂犬病用を一本ずつ腕に打ったが、もしも、彼女がおれのケツに打つとしたら、どうしたらいいんだ?レナードは、おれのケツを見て笑ったじゃないか。かりに、あいつが正しかったとしたら?もし、おれのケツが世界一醜かったとしたら?もしも、ケツと頭のハゲが診察室の明かりの下で同時にピカッと光ったらどうする?つまり、おれがうつぶせになり、ケツと頭頂部のハゲとがいっぺんに彼女の目に入ったとしたら、彼女は逃げだしちまわないだろうか?それとも、ちょうどズボンと帽子をコーディネイトさせるみたいに、ふたつがマッチしてると思ってくれるだろうか?
(鎌田三平訳)



本篇は「ハップ&レナード」シリーズの第四作、ますます快調!である。いつもながら荒唐で無稽でバイオレンスで下品でスラプスティックな魅力にあふれている。探偵小説というより、これもケイパー・ストーリー( caper story )のひとつと言えばいいのだろうか。
それはともかく、この作品の冒頭には『わが兄弟である戦士アンドリュー・ヴァクスに捧ぐ』という献辞が付いている。ランズデールとヴァクス、一見対極に居るような二人だが、どこかに相通じるところがあるのだろう。それを想像するだけで面白い。後には、共作までしてるんだものな。



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