40.マンディアルグ オートバイ

オートバイ(1963)、ここでは自転車は嘲りの対象である。冴えない薄給の高校教師と同じように。また路上では邪魔者である。自転車乗りとはバイクの進路に向こうみずにとび出してくる田舎者の集団である。さらに、オートバイ乗りは、サイクリストと比較すると階級的な優越者であり、共通部類のなかでのいっそう完成されたものであるという。あーあ、こんな小説読まなきゃよかったか。

物置の中には、レーモンが高等学校(リセ)の出勤に使う自転車のわきに(彼女は何度も見て知っていたが、錆びた車体に折りカバンをひっかけて、ハンドルの高いポロ車にまたがって彼が出かけるとき、生徒たちは彼をあざけるのだった)レベッカのオートバイが置かれていた。最新型の、最高速度の大型ハーレー・ダヴィドソンで、まだ真新しく、クロムの部分をのぞいては黒く塗られ、なかでもひときわ光沢のある部分は、すんなりしたパイプをそなえた、排気管だった。(生田耕作訳)


この長編の主人公は19才の女性=レベッカ。既婚、フランス北部の街に住む。彼女が、ドイツ南部に住む愛人の元に、国境を越えて、大型バイクを駆けて行く。それだけの話である。
それだけの話なのであるが、それはそれマンディアルグの数少ない長編小説である。高踏で饒舌で融通自在でそしてなによりもダンディである。読み進むにつれてその文章に幻惑されて魅了されて、これが自転車サイドにとって無残な小説であることを忘れさせてくれる。ただし!楽しむためにはオートバイが何かのメタファーであるとか言い出さないことが必要だと思う。


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