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338. A・A・フェア 草は緑ではない


E・S・ガードナーは、弁護士のかたわらパルプ・マガジンに書きまくった時代(1923~1933頃)を経て、本格的な探偵小説を書き始める。A・A・フェア名義で書いた『クール&ラム』のシリーズもその一つで、これは何と29作も続く人気シリーズとなった。「草は緑ではない」(1970)は、その最終作である。・・・ロサンゼルスの探偵は、ある人物を探すことを依頼される。その人物を捜してみると、どうやらメキシコに逃げたらしい!そうそう、そうでなくちゃ。探偵小説ではお尋ね者はメキシコへ逃げ込まなくてはならない。国境を越えて、探偵は追っかけなくてはならない。

バーサ・クールが、その重さ165ポンドの体躯を回転椅子の中で動かすと、回転椅子は坐り主の怒りに共鳴するようにキーキーと軋んだ。
「どういう意味なんです、あたしたちに、その仕事ができないっていうんですかね?」バーサがきいた。両手の掌でバタンとデスクの上を叩くと、両手の指にはめたダイヤモンドがギラギラと光の弧を描いた。(中略)
「わたしは第一級の仕事をやってくれる、本当に信頼できる探偵社を求めているんですよ。そういったことについて、たいがいのことをよく知っているといった友人にたずねたところ、クール・アンド・ラム社が役に立ってくれるだろうといったんです。やってきてみると、社名のクールというほうの人物は女性で・・・ラムっていうほうはといえば・・・」カーヒューンはぼくをじっと見て、ためらった。
「いってごらんなさい」と、ぼくはいった。
(三田村裕訳)



このシリーズ、どれもテンポが良く、ストーリーも面白い。クール&ラムのコンビも、脇役も、魅力的なキャラクターが揃っている。しかし、あえていえば深みは無い。なんだかこれも量販雑誌の連載小説を読んでいるような気分にならなくもない。でもそんなことを言うのは、八百屋で魚を求めるようなものか、ってのは例えが古いかな。
ちなみに、引用部の中で、依頼者がためらったのは、ラムが探偵にしては小柄で腕力も乏しそうに見えたからである。ほんとうは、頭がきれて有能な探偵なのだっちゃ!



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