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370. ジャック・ケルアック オン・ザ・ロード

「路上」、ではなくて「オン・ザ・ロード」(1957)を読む。新訳(河出/池澤編世界文学全集、青山南訳)に伴い、作品のタイトルが変更になったことについては、編者・訳者によるていねいな説明が付けられている。   『オン・ザ・ロード』は「路上」をどこかへの「途上」と信じてひたすら移動を続ける若い連中の話だ。だから、タイトルも、動的なイメージを持たなくてはならないと。
  たしかに尤もな理由であると思う。
もっともな理由であるとは思うが、もちろん旧題にも愛着があるのである。少なくともこの作品を旧題で読んだものにとっては、『路上』は静的な言葉ではなくて、まさに動的なことばとして捉えてきたのではなかったか。そんなふうにも思うのである。

書いた本を売っていくらか金にありついた。年の残りの分の家賃を払っておばをホッとさせた。ニューヨークに春が来るといつも、川向うのニュージャージーから吹いてくる大地の気配にじっとしていられなくなり、出かけずにいられない。だから出かけた。ふたりの生涯で初めて、ぼくはニューヨークにいるディーンに別れを告げ、置いて行くことにした。
(青山南訳)



主人公のサルは、こんなふうにいつもひょいと出かけてしまう。
第一部ではニューヨークとサンフランシスコを往復し、さらに第二部、第三部と西部への旅を重ね、引用した一節から始まる第四部では、遙かメキシコシティまで出かけて行く。もちろん、特別な理由も、目的もない。ひたすら移動を続けることにこそ意味があると信じているかのように。・・・ところで、サルの旅の盟友ディーンが、メキシコシティで病気に倒れたサルを置き去りにしてひとりアメリカへ戻っていく場面、あのシーンがわたしは大好きである。

良くなると、まったくいやな野郎だと思いはしたが、やつの人生のどうしようもない複雑さが思いうかび、病気のぼくなんか放っぽり投げて何人もの妻やらなにやらとうまくやろうとするしかなかったのだろうと理解した。「オーケー、ディーン、おれはなにも言わない」
(青山南訳)




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