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374. ラウラ・エスキヴェル 赤い薔薇ソースの伝説

エスキヴェル(1950~)は、メキシコの脚本家。「赤い薔薇ソースの伝説」(1990)は、彼女が書いた最初の小説で、メキシコではベストセラーとなり、映画にもなった。
物語は、メキシコ革命時、1910年代のメキシコを舞台に、ひとりの少女、ティタの姿を描いている。

ティタは、服も着ず、鼻に怪我をしていた。身体は汚れ、肌や髪には鳩の羽がくっついていた。医師を見ると、彼女は鳩舎の隅に逃げ、胎児のように身体を縮めた。
ブラウン医師が彼女に何と言ったのかはだれにもわからない。しかし、数時間後、日が暮れたとき、医師は服を着たティタといっしょに降りてきた。そして、ティタを馬車に乗せて連れていった。
チェンチャは、泣きじゃくって馬車の傍らを走りながら、ティタがほとんど毎晩寝ないで編んだ大きなベッドカバーをティタの肩にかけてやった。それは大きくて重く、馬車のなかに収まらなかった。ティタはウェディングドレスの裾のような、一キロメートルもあるベッドカバーの端を落とさないようにしっかりと握りしめた。色を選ばず、手に入った毛糸で編んだベッドカバーの色、織り、形の混ざりあった模様が、馬車が舞い上げる土埃のなかに、ときおり浮かびあがるのだった。
(西村英一郎訳)



ストーリーは、エスキヴェル版の”風と共に去りぬ”のようなものといえばいいだろうか。ロマンス小説風の展開に惑わされず読み続ければ、そのメキシコ的ゴシック小説の独特の味わいに気づくだろう。” 料理を通して自分の気持ちを人に伝えることができるという不思議な力を持つ女性の運命を描く”という設定も面白い。それから、引用部に登場する”巨大なベッドカバー!”、いったいこれは何なんだ!と思っていたら、物語の後半に再登場してきてみごとな活躍を遂げるんだよね、これが。



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