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377. ジュマーク・ハイウォーター 滅びの符号


ジュマーク・ハイウォーター(1942-2001)は、アメリカの作家。チェロキー族とブラックフィート族の血を引いており、アメリカ・インディアンのメンタリティを生かした小説や評論を書いた。また、現代のアメリカ・インディアンのスポークスマン的な役割も果たしてきた。   「滅びの符号」(1980)は、16世紀のコルテスによるアステカ征服をインディオの側から描いた小説である。

わたしの名はナナウツィンとしておこう。太陽が昇るようにと炎に身を投じた者。非情な夜のなかに沈んでいった、わが一族の最後の者。わたしはトラマティニ、すなわち賢者のひとり、そして壊れた鏡。この鏡には、今にも崩れ落ちそうな世界が影を落としている。われらにふりかかった運命を語るべく生き残ったのはわたしだけだ。
夜がわたしの言葉をおおってゆく。年老いたこの身を満たすは絶望と暗い記憶。すすを塗った顔の、わたしに残されているものは、踏みにじられた花と悲しみの歌のみ。道には折れた槍が幾本となくちらばっている。家という家は打ち壊され、壁は血で朱に染まっている。(中略)われらは滅びる運命にある。生きのびてはいるが、最後の日はじりじりと迫りつつある。
(第1部第1章、冒頭;金原瑞人・渡邉了介訳)



「滅びの符号」は、傑出した歴史小説であると同時に、圧倒的な迫力と物語性を持つ現代小説でもあるといった評価がなされてきたらしい。
たしかに、読み始めると一気に最後まで読みきってしまわざるをえないような力に満ちている。大叙事詩のような魅力にあふれている。だからといって、1500年以上もの間メキシコに存在していたアステカ文明を、わずか5年で街も人も根こそぎ滅ぼしてしまったスペイン人の歴史を、忘れてしまうことはできないのであるが。



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