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384. フアン・ルルフォ ペドロ・パラモ

ルルフォ(1918-1986)は、メキシコを代表する作家の一人。
書いたのは僅か二作。「ペドロ・パラモ」(1955)は、彼が書いた唯一の長編小説である。
・・・物語は、”ペドロ・パラモ”という男の一代記である。これがまた一筋縄ではいかない一代記なんだよね。

「そうなんだ、ドロテア。おれはささめきにやられたんだ。もっとも、その前から恐怖のためにすっかり参ってたけどな。怯えが少しずつ体に食い込んできて、しまいにはもうたまらなくなっちまった。それであのヒソヒソという音を聞いて、ひとたまりもなくやられちまったんだ。
おれは広場にたどり着いた。そう、その通りさ。群衆の騒ぎに引かれて行ったんだが、ほんとに人が集まってるのかと思ったよ。おれはすでに正気じゃなかった。手をついて歩くみたいにして、壁にもたれかかりながら歩いていったのを覚えてる。ところが壁のひび割れや剥げたところから、洩れてくるみたいに、あのささめきが聞こえるんだ。たしかに聞こえたんだ。・・・」
(杉山晃・増田義郎訳)



場面も、視点も、人称も、時間もあちらこちらに飛びつづけ、これでは長編ではなく、断章の寄せ集めではないかと思わず愚痴をこぼしそうになった頃、ようやく物語の連続性が見えて来て、そういえばあちこちに断章をつなぐ伏線や仕掛けが散りばめられていたのかと気がついたりするのである。
ところが、今度は、誰が死人で誰が生きているのかがわからなくなったり。それから、どこからか、あの”ささめき”が聞こえてくるような気がしたりするんだ。震えてるんだ。慄いているんだ・・・。



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