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387. エレナ・ガーロ 未来の記憶

エレナ・ガーロ(1920-1998)は、メキシコの作家。「未来の記憶」(1963)は、彼女の代表作である。メキシコ革命のさなか、クリステロの乱(1926-1929)と呼ばれるカトリック教徒が政府の反教会主義政策に対して武装蜂起を行った時期を背景として、メキシコの小さな村で起こったできごとを描いている。
   ”作者によれば”、登場人物はすべて彼女が実際に知っていた人たちだという。   しかし、これは単なる自伝的小説でも、歴史小説でもなく、むしろ物語は魔術的で幻想的で、まるでフェンテスやガルシア=マルケスの作品を思わせる。まさにラテンアメリカ文学の中心で書かれた傑作の一つだと思うのである。

使用人たちは涙で目を曇らせて、彼が去っていくのを見送っている。(中略)
「さあ!将軍をお待たせするわけにはいきません」彼はドン・ホアキンに向かって大声で言った。
フランシスコ・ロサスは馬を駆けさせて、玄関すれすれに停止させ、大勢の者がそれに倣った。楽隊は演奏しながら後に続こうとした。
ドン・ホアキンはウルタードを押しとどめた。
「われわれみんなを殺す気なんだ!」と、老人は懇願した。
青年は彼独特の、見知らぬ風景で一杯のあのまなざしで老人を見た。ふたりは玄関に立って敵の叫び声に耳を澄ました。
青年は錠をあげ、かんぬきをはずして扉を開けると、外に出た。ドン・ホアキンが続いた、とそのとき、これまで決して起こったことのないことが起こった。・・・
(冨士祥子/松本楚子訳)



引用は、二部構成からなるこの長編の第一部の終盤、老人夫婦の家に匿われていた青年を拘束しにロサス将軍が馬を乗りつけたところ。”見知らぬ風景で一杯のあのまなざし”をした青年は絶体絶命である。そのとき、何が起こったか。
・・・ここが、この小説の鍵となる部分のひとつだと思う。私の場合、思わず笑いだしました。ははは、ははは、ははは・・・、それくらいこころを揺さぶられた、というか、あっけにとられたというのが正しいのか。



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No title

はじめまして。
すごくおもしろそうな本ですね。
最近読書から遠ざかっていたんですが、
ラテンアメリカのマジックリアリズムもの大好きです。
是非読んでみたいと思いました。

おはようございます

Sima さん

コメント、ありがとうございました。

「メキシコ」というテーマを追いかけていたら、思いがけないところで、とてつもなく面白い本に出合いました。機会があればぜひ読んでみてください。


jacksbeans


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