スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

389. トーマス・オーウェン 翡翠の心臓

オーウェン(1910-2002)は、ベルギーのフランス語による幻想小説作家の代表格である。
作風は、”緩やかな坂を下り恐怖にたどりつく”、であるという。

そこには、まるで秘密の神殿の真ん中に立つ女神とでもいうように、少女ほどの背丈の像が据えられていた。だがこれはまさしく、みごとに均衡の取れた成人女性の立像だった。この像と並んで立つと、私たちの顔と像の顔は、ちょうど同じ高さの位置にあった。それは精巧な焼の粘土像で、その化粧土は漆器の木目模様を思わせた。これほど心をゆさぶる、生き生きとした、そして驚くべきことに、顔の目鼻立ちの上から、これほどここの女主人にそっくりな像は他になかったろう。
(加藤尚弘訳)



「翡翠の心臓」は、彼のベスト短編集『Le livre noir des merveilles』(1980、邦題『青い蛇』)に収録の一篇。
引用したのは、”私”が中央アメリカ美術展の会場で知合った不思議な女性の自宅に招かれ、メキシコから持ち帰ったという古代の女性の立像を見せられる場面。
・・・たしかに、読み進むといつのまにか緩やかな坂を下って、とてつもなく暗く冷たい場所にたどりついた。そんな気持になった。こういうものを本物の ”ノワール” というのだろうか。



にほんブログ村 本ブログ 海外文学へ



関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新コメント
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。