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48.G・グァレスキ 陽気なドン・カミロ

「陽気なドン・カミロ」(1948)、物語の舞台は、第二次大戦後の北イタリアの小さな村。登場するのは、二人。司祭であるドン・カミロと、村長のペポネ。基調は喜劇である。少々クラシックなユーモア小説である。教会=保守主義者と共産主義者=村長の対立と小さな村の日常の出来事を皮肉と笑いを織り交ぜながら寸劇のような形で綴っていく。ポイントは二人の関係である。ただ対立しているのではなくて、同時にこれまでファシズムに対して共に闘ってきたという連帯の意識が残っている。小さな村がまだ古き良き時代のコミュニティとしての関係性を保っている。だからこそ喜劇が成立するとも言える。
…折しも、司祭は自転車を走らせている。思いつめて人を殺しかねないような勢いで出て行った村長を引きとめてほしいと頼まれたからである。

三分後、ドン・カミロは僧衣を首までたくしあげ、カステッリーノの街道を狂人のようになって走っていた。カミロは聖器守の息子から競争用の自転車を借りたのだった。
素晴らしい月夜だった。カステッリーノから四粁位隔つているところで、ドン・カミロはフォッソーネの橋の欄干に一人の男が腰をおろしているのをみた。カミロは忽ちスピードをゆるめた。夜、旅行する時には用心深くしなければならないからである。カミロは偶然、ポケットの中に入っていた玩具を手に握りしめながら、橋から数十米のところに立ちどまつた。
「君」と彼がたずねた。「君は肥つた大男がカステッリーノの方へ行くのを見なかつたかね」
「みないよ、ドン・カミロ」と静かに相手の男が答えた。(岡田眞吉訳)


さすがはGiro d'Italiaの国、司祭までもが競争用自転車に乗る!
それから、言わずもがなであるが、引用文中、カミロが「君」と声をかけた相手は、もちろんペポネ自身である。・・・いいよね、このクラシックなスタイル。とりあえず知らない相手であるかのように話しかけてみる、という奥ゆかしい姿勢。



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