スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

398. ジョン・スラデック メキシコの万里の長城


「メキシコの万里の長城」(1977)は、スラデックの第二短篇集『Keep the Giraffe Burning, 1977』に所収の一篇。邦訳は『スラデック言語遊戯短篇集』(サンリオ文庫、1985)に収録されている。

大統領にはゆたかな夢の人生がある。それは中身の濃いスープのように彼の皮膚からしみこみ、"謹厳な"執務着のしわをのばしてくれる。大統領の執務用ズボンの尻をよく調べてみれば、当人の秘めたる欲望がちゃんと見てとれると、心理学者たちがいっている。そこにはおそらくインドシナの地図が浮き彫りにされていることだろう。
彼の夢はさまざまな計画、作戦、諮問委の企画などのなかで、ふつふつとわきたつ。彼の夢見る目はドーナツに向けられます、と側近がいう。たとえばビッグ・サンディ作戦。メキシコ国境に万里の長城を築く(作戦の第一段階)など、およそ気違い沙汰かもしれない。しかしそれでいいのだ。「あまりにも気違いじみてる」ヘア将軍がいう。「だからこそうまくいくかもしれません。いかないかもしれないけど」
(越智道雄訳)



ナンセンスの極致のような作品が並ぶ短篇集である。「メキシコの万里の長城」も、その掉尾を飾るにふさわしい一篇である。・・・つまり、わけわかんなくて、くだんなくて、とびっきり面白い作品であると。

いまだ未訳本が多いスラデックであるが、特にSF長編は、待っても待っても出てこない!
出版社にとってはいまさら訳出するなんて「あまりにも気違いじみてる」?、でもしかし「だからこそうまくいくかもしれません。いかないかもしれないけど」、とわたしは言いたい。



にほんブログ村 本ブログ 海外文学へ



関連記事
スポンサーサイト

⇒comment

Secret

被災地の学生を応援しよう!
プロフィール

jacksbeans

Author:jacksbeans
ようこそ!
記事のカテゴリ区分は、
①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



にほんブログ村 本ブログへ

ブログ村ランキング参加中、
クリックしていただけると幸いです。

カテゴリ
月別アーカイブ
04  12  09  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04 
検索フォーム
最新記事
PVアクセスランキング/海外文学
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。