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49.W・ギブスン ヴァーチャル・ライト

「ヴァーチャル・ライト」(1993)、ギブスンの第四長編。あの電脳三部作後、初の長編という位置付け。
物語の舞台は近未来のサンフランシスコ、大地震によって倒壊したベイブリッジは無数のホームレスによって占領され、そこにジャンクアートまがいの奇妙な「もうひとつの橋」と、ブリッジピープルによる新しい文化が形成されていく。
今しも、この奇妙な構造物=もうひとつの橋が生まれたときの様子が語られつつある。

ある男が釣りをしたんだ。リールを巻きあげた。自転車が釣れた。フジツボだらけのやつだった。
みんなが笑った。その自転車を持って帰って、食堂を作った。ハマグリのスープ、ムール貝の料理、メキシコ・ビール。
自転車はカウンターの上に吊るしてあった。スツールが三つしかおけない箱形の小屋が、橋から二、三メートル外までせりだしていた。(中略)上から見おろすと、両足の爪先のあいだから海が見えた。そうさ、あんまり店を外へ張りだしすぎたんだ。

山崎はコーヒーから立ちのぼる湯気を見つめ、フジツボだらけの自転車を想像した。それ自身がかなり強力なトマソンといえる。スキナーがその用語に好奇心をかきたてられたようだったので、山崎はその言葉の起源と、現在の用法での意味を説明したが、それもノートブックに記録されている。(浅倉久志 訳)


自転車もこんなふうに主役扱いされると本望だろう。…ともかく、そんな中で登場するのが、われらがバイクメッセンジャーの少女、シェヴェットである。この自転車少女がたまたま盗んでしまった「ヴァーチャル・ライト」をめぐって、逃亡と追跡のドラマが繰り広げられていく。これが愉快で痛快。まるで聖杯追求型の大娯楽小説なのである。


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