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403. E.T.A.ホフマン 黄金の壺 (フルーツ小説 百選)

ホフマン、Apfelweib


引用するのは、物語の冒頭部である。
大学生アンゼルムスくんは、ここでとんでもない災難を引き起こしてしまう。それもこれも、この冒頭の場面で、りんご売りの婆さんの籠をひっくりかえしてしまったことによる。ただ、それだけのことだったのにと悔やんでみてもしかたがない。そこから「黄金の壺」(1814)の物語は、とんでもない展開をはじめていくのである。

第一の夜話(大学生アンゼルムスの災難)

昇天祭の日の午後、ちょうど三時のこと、ひとりの若い男がドレスデン市の黒門を走りぬけるなり、そのまま一直線に、物売りのしわくちゃ婆さんのりんごや菓子の籠に飛びこんでしまいました。運よく踏みつぶされずにすんだ品々もすっかりあたりにとび散って、街の腕白どもがわっと喚声をあげて、この粗忽者がばらまいてくれた獲物をぶんどりあう。老婆の悲鳴に、まわりの菓子や火酒売りの女たちは、屋台を放りだして若者をとりかこみ、罵詈雑言を浴びせかける。若者は腹が立つやら恥ずかしいやらで口も利けず、かくべつふくらんでもいない小さな財布をさし出すばかり、老婆はそれをひったくると、すばやくふところにしまいこみました。そこでびっしり詰めかけていた人垣もほどけて、若者がそそくさと逃げ出すと、その背中に老婆の声が飛んだのです。
「そうさ、走ってゆけ   走るがいいさ、サタンの餓鬼め   ガラスの中へ、もうすぐおまえはガラスに閉じこめられるのさ!」
(大島かおり訳)


この物売りの婆さんはなおも、上の画像のように、”リンゴの形のドア・ノッカー”の姿に化けてアンゼルムスくんを追いかけたり脅したりするのだから散々だ。
・・・思い起こすべきは古来からのリンゴには近づかぬべしという教訓か。



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