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51.ジョルジュ・バタイユ 眼球譚

「眼球譚」(1928)、バタイユの最初の小説。作者の死後に実名で公刊されるまでは、何度も匿名で地下出版されたという経緯が示すように、とんでもなく猥褻で残酷で瀆神的で、そして美しい小説である。


その日は、雨をともなわぬ嵐のなかを、敵意をひそめた暗闇を突き抜け、私たちは城から逃げ出さねば、野獣のように、シモーヌも私も、素っ裸で、駈け出さねばならなかった。たぶん、また新たにマルセルを打ちのめすにちがいない退屈な毎日のことがひどく気がかりだった。不幸な女囚はいわば私たちの肉体を、絶え間なく、乱交に駈り立てる、悲しみと憤りの化身のようなものだった。しばらくして(自分たちの自転車を見つけ出し)、機械の上に跨った素っ裸の、靴だけをはいた肉体という、いらただしい、どうみても不潔な光景を、私たちは互いに鑑賞し合うことができた。破廉恥と、疲労と、不条理の共通の孤独のなかで、笑いも言葉もなく、私たちはせわしくペダルを踏みつづけるのだった。
(生田耕作 訳)


裸で自転車に跨った少年と少女が、暗闇の中を逃げだし疾走するという場面、幾度となく小説の中の自転車を見てきたわたしではあるが、さすがにこのシーンは衝撃的で強く記憶に残っている。願わくば、初版に添えられていたというアンドレ・マッソンの抒情的な(?)挿絵を合わせて見返したいと思うものである。

そしてともかくこの小説では、眼球、玉子、そして牡牛の睾丸、‥球体に関する幻想が執拗に語られる。
もちろんそれは主題というよりも、狂言回しのようなものであるのだろうが、なんだか読んでいるうちにこちらもぐるぐるぐるぐる眼がまわりはじめ、球体ばかりではなくたまには尖がったものでも出てきてほしいと願ったりする。そうすると例えば「刃物と目玉は近いと言える」というようなバタイユの考え方もわかることになるってもんだと思ったりするのだが結局はよくわからないのである。
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