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☆621.秋野不矩美術館 (美術館の階段)

■秋野08年11月浜松 044

秋野不矩美術館は、浜松市にある。天竜川のそばの小高い丘の上に、すくっと建っている。その建物を見た瞬間、何か不思議な空間に来てしまったなぁという感じがする。建物を見ただけで、ここに来て良かったなあという気持ちがする。
この美術館は、秋野不矩(あきのふく 1908-2001)の作品の展示の為に作られた。木と土と石でできた小さな建物である。設計は、藤森照信、「建築探偵」でおなじみの藤森氏である。秋野さんの希望によって藤森氏が起用されたという経緯もあるらしい。というような先入観抜きにしてみても、作品と建物がぴったしの調子である。何処か別の美術館の特別展かなにかで見るのではなくて、ここで秋野さんの絵を見て良かったと思う。


■秋野157

高台に立地するのだから、”階段”がもっと目立ってもよさそうなものだが。実は、ここは、階段が似合わない建物なのかもしれない。 実際に、美術館の入口までは(階段ではなくて)ひたすら坂道を登って行くのであるし、建物の中にはいると靴を脱いで、板張りの床に座り込んで、できるだけ低い視線で絵を眺めるのが良いとそんなふうに感じてしまう。もちろん二階にも展示室があって、そこに繋がる階段も階段周りのスペースも落ちついた雰囲気を発揮しているのだが、なにかこの建物では、二階も階段も添え物でしかないような気持になる。木と土と石でできた小さな建物には、そもそも大ぶりな階段は似合わない。広い二階のスペースは似合わない。昔の日本家屋にあった”厨子二階”のようなもっと狭い空間なら良かったのに。なぜかそんなふうに感じてしまうのである。


CIMG4002.jpg
 (秋野不矩 「砂漠の街」、1982)

所蔵品展で見た秋野不矩の作品は、インドをテーマにしたものが多く、晩年、70~90才にかけて書かれたものが中心になっていた。どれもが力強く、イメージが明晰で、ひとめで魅せられる。美術館の床にすわりこんでじっくり見ればみるほど、何か絵の持つ不思議な調子に酔わされてしまう。これらの寺院や家が青空の下にすくっと立っているさまが、明瞭なイメージとしてとらえられるような気がする。しかし、この空の青いこと!土の色の懐かしいこと!この絵にも階段は描きこまれているが、もちろんそれは添え物でしかない。

(秋野不矩美術館、浜松市)



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No title

素敵な美術館ですね。

美術館とか好きなので行ってみたいです。

応援クリックさせていただきました。

おはようございます

コメント、ありがとうございました。
仕事がいそがしいときは、ちょっと美術館をのぞくくらいしか息抜きがないのです。
秋野美術館は、ちょっとのぞきに行くというには遠いところにあるんですけどね。

No title

タイトル画像が素晴らしい。

広角ぎみに捉えて、斜めに右から入った宮沢賢治的な
カサつき街灯のある電柱と、建物との対比。
それから、中心に位置する、ユトリロの点景人物的な
シルエットの(青い上着と末広がりの灰色スカートの)
婦人が、土壁と不思議な調和を見せて、いつの時代とも
どこの国とも知れない時空間を感じさせます。

タンポポハウスや高過庵にみられる藤森氏の造型は、
必ずしも日本の風土から出てきたとは言えない、
そのアジア・アフリカ高地的な意匠が賛否ある所ですが、
この秋野不矩美術館では、そのテーマと造形に、
幸福な出会いがあったように思います。

No title

こんにちは。
なんだかロシアの現代美術館みたいです。
人工的なのに、どこか素朴な懐かしさを感じるような。
機会があればぜひ行ってみたいです!

ヨナデンさん、おはようございます

いつも、コメントをありがとうございます。

写真はなによりも数をたくさん撮ることをこころがけています。
いわゆる"数撃ちゃ"方式で、百枚に一枚くらいは誰が撮ったのかと思うていどに見られる写真がでてくるようになりました。^^
ただ、それにしても、(青い上着と末広がりの灰色スカートの婦人のシルエット>を褒めてくれるヨナデンさんのようなアリガタイ方は、いらっしゃらないですけどね。



慧さん、おはようございます


この美術館は、浜松の郊外でかなり行くのに時間がかかるのが辛いところ。
わたしも一度行ったきりで、なんとかもういちどと思っていたところでした。
…たしかに建物は、ロシアかどこかの片田舎にありそうな雰囲気もあります。ヨナデンさんが書いてくれたように、この造形は、必ずしも日本の風土から出てきたということではないのでしょうね。
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