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53.ドロシー・L・セイヤーズ 五匹の赤い鰊

セイヤーズの「ピーター・ウィムジイ卿」シリーズ、全11作。初期作品の軽やかさも捨て難いのであるが、わたしは何といっても喧騒で濃密で爛熟した後期の作品が大好きである。
「五匹の赤い鰊」(1931)は長編の第6作、シリーズ中期の作品である。この辺りから作風が転換し、完成度を高めて行く。

「自転車?」マクファースン警部は言った。「自転車ん話はなさんねでくだせえ。聞くのもうんざりだがです。自転車の二つや三つにこんな振りまわされるがなんて、信じられるがですか?ユーストンに一つ、クリ―タウンにも一つ。そんでもまだ足んねみてえにウォーターズん自転車が消えとって、やつを殺しで逮捕したもんか、それとも自転車泥棒を捜したもんか、誰にもわからねときとるがです」
「実際やりきれないね」ウィムジイは言った。(浅羽莢子訳)


これほどたくさんの自転車が登場するミステリなんてもちろん初めて読んだ。しかもアリバイを解く重要な鍵にもなっていて、誰の自転車やら、いつ盗まれたのやら、何処に隠されたのやら、物語の最後まで何がなにやらわからない状況が続いて行く。
「やりきれないね」とピーター卿ならずとも言いたくなる。「うんざりだがす」とマクファースン警部ならずとも言ってみたくなる。警部の台詞が訛っているのは、物語の舞台であるスコットランドの田舎町の方言を表しているためである。浅羽さんの苦心の訳。

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No title

こんにちは!

ピーター卿シリーズ、11作もあるのですね!
途中で作風が変わるのですか? 益々読むのが楽しみになってきました。

私自身はずーっと自転車に乗れなくて(運動苦手なため)、普通に乗れるようになったのは、30過ぎてからです! 最近やっと自転車の楽しさが分かってきました!

こんにちは

ayahさん、コメント、ありがとう。
ピーター卿シリーズは、あとになればなるほど面白くなるという気がします。
ぜひ、どうぞ。
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