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54.ロレンス 息子と戀人

ボウエンの日ざかり、ウォーのブライヅヘッドふたたび、フォースターのハワーズエンド、チェスタトンの木曜の男、イネスの海から来た男、デフォオのロビンソン漂流記、等々、吉田健一訳の英国小説にはどれだけ楽しませてもらったことか。どの作品にもどれだけ深く魅せられてしまったことか。


ポオルは、丘の上から自転車を矢のように飛ばせて行った。道が滑って、そうする他なかった。途中で、二度目の、もつと急な坂を降り始めた時、彼は嬉しくなって、「そら行くぞ、」と思った。暗闇で、坂の下で道が曲がっている上に、御者が酔っ払って寝込んでしまっている、ビイル樽を積んだ荷馬車がそこを通るので、そんな風に自転車を飛ばして行くのは、かなり危険だった。ポオルが乗っている自転車は、彼の下から落ちて行くようで、それが彼には快く感じられた。無鉄砲になるということは、言わば、女に対する男の復讐である。彼は、自分の女が自分を正当に扱ってくれないと感じると、女から自分を奪い去るために、死ぬ危険さえ冒すのである。(吉田健一訳)


そして、ロレンスの「息子と戀人」(1913)についても同じである。物語に魅せられ、その時代の英国に思いを馳せ、美しい訳文を楽しんだ。ひとつ危ぶむことがあるとすれば、訳文が愉しすぎることである。原文もほんとうにこんなにたのしいのか?!なんて考えだすと夜も眠れない。ので、もう一冊ファニー・ヒルでも読むことにした。


PS. この小説は、1960年にジャック・カーディフ監督で映画化されている。地味な内容ながら原作がちゃあんと生きていた。もういちど見るなら、『チャタレイ夫人の恋人』よりこちらを選びたいと思う。





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