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442. サキ マルメロの木 (フルーツ小説百選)

Cotán
(フアン・サンチェス・コタン『マルメロの実、キャベツ、メロン、胡瓜』、1602)


静物画とは、ただ静かで動かないものというだけではなく、死んでいるものというような意味が含まれていると、とらえればよいのだそうだ。
コタンのこの絵を見ると、そのことが少しわかるような気がして震えてしまうかもしれない。
しかし、この絵に驚かされていては間違ってしまうかもしれない。マルメロはとても美味しい果実で、さらにジャムにすると格別であるらしい。また、宮沢賢治によれば、マルメロは歌が上手だという。

「わたくし、いまベチイ・マレンおばさんに会って来ましたわ」とヴェラは伯母のビバリイ・カンブル夫人に云った。「家賃がはらえないで困ってるようですわ。」(中略)
「わたしはもう金輪際助けてはやらないよ。ほんとうなら、もっと小さい、家賃の安い家に引っ越さなきゃならないんだよ。(中略)」
「でも、どこに行ったって、ほかじゃあんな立派なお庭はついていませんわ」とヴェラは反対した。「それに、庭の隅には、あんな見事なマルメロの木があるんですもの。(中略)ええ、あのお庭と別れて引っ越すなんて、おばさんにはできっこありませんわ。」
(「マルメロの木」、中村能三訳、新潮文庫版『サキ短編集』に所収)


サキ(1870-1916)の掌編を、さらに要約して紹介するなどという芸当はわたしには不可能である。ただ、ヴェラのみごとな策計でマルメロの木の家は守られるかもしれない、ということだけは書いておいた方がよさそうだと思う。めでたし。



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宮沢賢治は、マルメロの香りが好きだったのか、
『まるめろの匂いの空に 新しい星雲を燃やせ』とか
詩を書いたりもしていますね。

今年は、楽しいものや美しいものを沢山見せていただき、
ありがとうございました。よいお年をお迎えください。

おはようございます

たしかに賢治の作品にはなんども"まるめろ"が登場してきて、楽しませてくれます。
もちろん、まるめろ以外にもいろんなフルーツが出てきて、それは賑やか、なんですけどね。


こちらこそ、ヨナデンさんのブログにはたっぷりと楽しませてもらいました。
来年もよろしくお願いします。

よいお年をお迎えください。

jacksbeans


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