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449.モーリス・ルブラン ルパン、最後の恋 (フルーツ小説百選)

“POMONA(ポモナ)”は、ローマ神話の果実の女神である。
しかしポモナの名は、神話自体よりも、ウィリアム・モリスのタペストリーや、ロセッティの絵や、ハリー・ポッターのスプラウト先生の方がおなじみかもしれない。もちろん、古今東西の小説世界にも時々登場する。引用するのは、ルブランの「ルパン、最後の恋」の一節である。

「大尉さん、どうしてわたしが王妃になるのか、こっちへきて話して欲しいわ。(中略)」
彼女はサヴリーを連れて、セーヌ川に沿った美しいシナノキの小道へ入った。静かで穏やかなひとときだった。中庭から百歩ほど歩いたところで、二人は花と果実を抱いた女神像が見おろす石のベンチに腰かけた。目の前にかかる大きな緑のアーチ越しに、川の流れが見える。
「ここはポモナ(ローマ神話に出てくる果実の女神)の広場って呼ばれているのよ。この城に来て以来、わたしのお気に入りの隠れ家よ」
ゆったりとくつろげる場所だった。寄せては返す小波が川岸の砂利を洗う音だけが、静寂のなかに響いている。そのせいだろうか。二人は肩を近づけ、普段なら話さないようなことまで、いつしか口にしていた。
「あなたはわたしが王妃になることを、心から願っているのですか?」とコラはたずねた。
(平岡敦訳)


「ルパン、最後の恋」は、2012年に出版された、ルパンものの70年ぶりの”新刊”である。
最終稿に至らないまま遺されていた未発表の原稿が、ようやく出版されることになったということらしい。しかしそんな事情は放っておいて、今頃になってルパンの新作が読めることを率直に喜びたい。しかも、それが微笑ましいくらいの恋愛譚で彩られているとしたら、多少、物語の展開が雑であったり、文章が味気ないというような欠点を感じることがあるにしても、文句をつけるなんてとんでもないではないか。

物語には、一人の魅力的な女性(コラ・ド・レルヌ)が登場してきて、サブリー大尉ことルパンと恋におちる。引用したのは、二人が”難しい愛”について語り合う場面。ここで、なぜ”ポモナ”が登場するのか???
これを解くのは、なかなかむずかしい。たぶん、ローマ神話におけるポモナとウェルトゥムヌスの挿話を思い浮かべればいいのだろうが・・・。
実は、もう13時間くらい考えている。もう少し、あと14時間くらいは考えてみようと思う。そうすれば、きっと、たぶん、おそらく解けると思うのだけどなあ。



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