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468. テリー・ビッスン 熊が火を発見する (フルーツ小説百選)

テリー・ビッスンの「熊が火を発見する」(1990)は、その題名の通りの物語である。
アメリカ各地で火を発見した熊たちが目撃される。熊たちは、もっぱら"ニューベリー"と名付けられた新種の果実を食べている。ある日、行方不明になった老母を探しに行くと、熊たちと一緒にいた・・・。
発表当時、アメリカで、SFの各賞を総なめにしたというだけのことはある。シュールだが笑える一篇である。
邦訳は、中村融・編訳の日本オリジナル短編集『ふたりジャネット』に所収。
河出書房の奇想コレクションの一冊である。

薪の大半は鈴掛と橅の枝だった。熱や光をほとんどださず、煙を盛大にだす種類だ。熊はまだ木の善し悪しを学んでいない。もっとも、火のあつかいはみごとなものだったが。北国生まれらしい大きな暗褐色のクロクマが、棒で火をつっつきながら、ときおりわきの小山から枝をくべ足していた。ほかの連中は丸太にすわり、ゆるやかな車座になっていた。おおかたは小ぶりのクロクマかナマケグマで、一頭は子連れの母熊だ。なかにはホイールキャップからニューベリーを食べているものもいた。食べるかわりに、じっと火を見つめながら、おふくろがホームのベッドカヴァーを肩に巻きつけ、連中にまじってすわっていた。(中略)
ホイールキャップがまわされ、みんながニューベリーをとった。おふくろはいざ知らず、おれは食べるまねだけにした。ウォーレス・ジュニアは顔をしかめ、口にいれたニューベリーをぺっと吐きだした。
(中村融訳)


この"ニューベリー"なるもの、インターステートの分離帯にだけ生える新種の灌木の実だそうだ。それで肝心のその味のことなんだが・・・。
小説のなかで味見してみたやつに訊くと、「えらく甘いのにすっぱいんだ、いかにも熊が好きそうな味だったよ」、とのこと。



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