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59.アイリス・マードック 赤と緑

「赤と緑」(1965)は、マードックの九番目の長編。
物語の舞台は、20世紀初のアイルランド。一次大戦下のダブリンで、英国からの独立を目指して革命軍が蜂起する事件が起きる。その事件に関わったある一族の姿を描いて行く。といっても革命の実録とか社会小説ではない。思い切っていえばマードック流の青春小説である。だから哀しくも美しい結末が待っている。

二人の若者は、たがいにじっと見あっていた。やがてパットが急に向きをかえると、部屋から出て行った。暗闇のなかをころげおちるように階段を降り、正面のドアから、しめった夜の大気のなかへ出て行った。雨はやんで、月がぎざぎざの雲の切れ間から、明るく照っていた。階段の上で、一人の男が影のように彼の目の前にあらわれた。パットはその男をはげしく突きのけ、相手が叫び声をあげて、ふかい草むらのなかにおちる音をきいた。ふりかえろうともせず、彼は自転車を壁にもたせかけてあるところまで行った。そのとき、彼は、明るい月の光の下に、あと二台自転車があるのを見たのである。(小野寺健訳)


男たちは自転車に乗って彼女の屋敷を訪ねる。革命前夜、ここには三台の自転車が壁に立てかけられることになった。
・・・しかし、ここは物語のまだ半ばである。決して愁嘆場で物語が閉じるわけもない。アイルランドも、この一族の男と女たちの運命も、まだまだ大きく揺さぶられていくことになるのでありました。

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初めまして

初めてコメントします。
葛飾の断腸亭と申します。

ものすごいブログを発見したことで、驚喜しています。
私も、かねがね、映画や文学の中に現れる自転車について興味を持っていました。
しかし、貴ブログの、その圧倒的な読書量から導かれた自転車の「用例」には溜息が出るばかり。
愛読ブログが増えました。
今後とも、よろしくお願いします。

おはようございます

コメント、ありがとうございました。
そんなふうに書いていただくとなにやら面映ゆいですが、すくなくとも100件の記事を書くまではこの形で続けていこうと思っています。読んでいただければ幸いです。
また、こちらからもうかがわせていただきます。
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①自転車、②図書室、③青、④メキシコ、⑤フルーツ、⑥階段、⑦画家、⑧スープ、⑨音楽、⑩綠、です



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