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7.アルフレッド・ジャリ 超男性

小説の中の自転車を語るとき、どうしても欠かせない本が二冊、あると思う。ひとつは、フラン・オブライエンの「第三の警官」、そしてもうひとつがこの本、ジャリの「超男性」(1902) である。
自転車を偏愛した作家が書きあげたこの物語は、しかし、偽りの機械信仰の書であるという可能性もある。一切のものが仮面に包まれたような物語であるので、執拗な調査が必要である。だから繰り返し読む。

下手な自転車乗りは、私たちの左手、機関車の少し前にいた。私たちの影が消えると同時に不意に現われ、一瞬にして影と一つになって、自転車乗りは私たちの前の競走路を、信じられないほどの不器用さで横切った。  彼にとっても私たちにとっても、これは神の助けのような幸運であった。  それから彼は、自分の乗っていた大時代めいた機械を、最初のレールにぶつけた。こんなふらふらしているところを見ると、この男は自転車の練習をはじめてからせいぜい三時間、それ以上ではあるまいと思われた。
(澁澤龍彦 訳)


引用部は、自転車対汽車の1万マイルスピード競争が佳境に入る頃、五人乗り自転車チームの前に、なんと「下手な自転車乗り」の幽霊(あるいは人間か悪魔かもしれない)が現れ、先頭に躍り出るという、なんともシュールな場面である。
初めてこの場面を読んだときは呆然唖然、しかしおかげさまで二度目以降はちゃあんと抱腹絶倒できるようになった。
「超男性」の中でも、この下手な自転車乗りの現れる場面が、なんたってイチバンだと思うのだが、どうでしょうか。

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