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806. P・G・ウドハウス 上の部屋の男

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ウドハウスの「上の部屋の男」(1936)、岩波文庫版『20世紀イギリス短篇選(上)』に所収。
物語に登場するのは、芸術家が多いので知られるチェルシー地区のアパートに住む音楽家のアネットと、その上の部屋に住む青年である。アネットが、男の部屋を訪ねると、彼は絵を描いていた。

「ちょっと拝見」
アネットはイーゼルに近寄った。(中略)
練達の批評家ならば、まちがいなくその絵は下手だと思ったにちがいない。それは黒い瞳の子供が大きな黒猫を抱いている絵だった。統計学者によれば、どの一日をとっても、この地球上のどこかで、猫を抱いた子供の絵を誰かが描いていない瞬間はないという。
「『子供と猫』という題にします」と青年は言った。「なかなかすっきりした題でしょう。主題がすぐわかる。これが」と青年はわざわざパイプの柄で指して教えた。「猫です」
アネットは、描いてあるものが好きか嫌いかで絵の好き嫌いがきまるという、一般大衆の一人だった。いま百万の猫と子供の絵を見せられても、嫌いなものは一つもなかっただろう。それに、青年は彼女の音楽についてとてもやさしいことを言ってくれたのだ。
「すばらしいと思うわ」と彼女は言った。
青年は嬉しいというより驚いた顔をした。
(小野寺健訳)


”ジーヴス”シリーズでおなじみのウドハウスの短篇。
同じアパートに住む二人のラヴ・ストーリーを描く。
いつものようにコミカルで、そしてたあいない。
(もちろん、褒めているのである)



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