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809. チェスタトン 詩人と狂人たち

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『君達に全世界の秘密を語ってやろうか?われわれは世界のうしろ側を知っているだけなんだ。』
・・・同じチェスタトンの「木曜日の男」のこの一節には痺れました。以来、チェスタトンのミステリにはすっかり取り憑かれています。
『詩人と狂人たち』(1929、原題The Poet And The Lunatics)は、画家詩人”ゲイル”を主人公とした探偵譚を集めた連作短編集である。

「こいつは画家でしてね」と説明した。「といっても、かなり特殊な画家なんです。まあ、建物専門の画家といったところですが、かといって、普通、人が言う意味でのそれとも違うんです。びっくりなさるかもしれませんが、これでもこいつは王立美術院の会員ですよ   といっても、その会員にありがちな黴くさい画家とも類を異にしてますがね。若手の天才派中の一流画家で、この連中のひねくれた画廊に出品してるんです。ところがこいつの一生の念願と誇りは、宿屋の看板を塗り直しに歩き回ることにあるんです。こんな気まぐれをもった天才には毎日めぐりあえるものじゃありませんよ。この宿屋の名はなんというのですか?」
(「おかしな二人連れ」、中村保男訳)


連作集のそれぞれの短編には、入れかわり奇怪な人物(Lunatic)が登場し、かれらが引き起こす奇妙な犯罪や神秘的な事件を、これもLunaticを自称する探偵が解き明かすという仕掛けになっている。
ここには、チェスタートン風のモラリストらしい哲学や残酷なユーモアがある。怪しくてクールで謎に満ちていて不条理で、そして可笑しさもある。重厚でそしてポップである。チェスタトンのミステリというと、一に「木曜日の男」、次に「ブラウン神父シリーズ」ということになるのだろうが、この「ゲイル」シリーズもなかなかの迫力物なのでありました。





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