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811. ハモンド・イネス 報復の海

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ハモンド・イネスを読む。懐かしのイギリス流冒険小説である。
久しぶりだ。最後に読んだのは、どれくらい前だっただろうか。
少なくとも、マイクル・イネスを読む前だったと思う。

あれだけ夢中になった英国流冒険小説よりも、いつのまにか英国風探偵小説を多く読むようになった。といっても、スティーヴンソンからディック・フランシスに至るイギリスの冒険小説の愉しさを忘れてしまったわけではない。ただ、イネスはもちろん、ル・カレも、ヒギンズも、マクリーンも、バグリイも、ライアルも、そしてディック・フランシスも、たぶんもう未訳本や新作を待つわけにはいかないんだものなあ。

というわけで、イネスの「報復の海」(1962)である。
ここには、画家が主人公として登場する。
久しぶりに読んでもイネスはイネスだ。面白いに決ってる。
だから書くべきことはただひとつ。
なぜ、この冒険小説の主人公は画家でなければならないのか?

そのとき、私は、アレック・ロビンソンから頼まれた二冊目の本の装丁の仕事をしていたのだか、電話の後、ふたたび仕事に戻る気にはなれなかった。(中略)
ロンドンのイースト・エンドのざわめきが押し寄せてくる。私の部屋は、肉屋の上の屋根裏部屋なのだ。もっと広いところにうつる余裕はない。ベッドと机と画架が部屋の大半を占め、壁ぎわにはミロス島で描いた油絵が積み上げてある。歩く場所も、ろくにない。隅の戸棚には衣類が入れてあり、その上には、これまでに売れたわずか二点の絵の代金で買ったキャンプ道具が積んである。売れたのは『カイークから見た明け方のミロス島』と『水中のギリシア回廊』だ。これらの絵を描いているときに、レールグ島を描こうと思いたったのだか、結局、レールグ島へ行く許可は得られなかった。
(竹内泰之訳)


なぜ、この物語の主人公は画家でなければならないのか?
・・・これが意外に難問なのである。
もちろん、もうひとりの主人公である”彼の兄”が職業軍人であることと対照するという意味はあるのだろう。
”(冒険小説に於ける) 軍人の対極としての画家”、ただ、そんなふうに思っておけばいいのだろうか?




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