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813. H・P・ラヴクラフト ピックマンのモデル (画家小説百選)

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ミステリやモダンホラーには、絵画がよく登場する。
“盗まれた名画の謎”とか、”贋作画をめぐる事件”だとか、あるいは絵のなかの人物が現れてきたり、逆に誰かが絵のなかの世界に入りこんでしまったりする”怪奇絵画”のはなしであるとか。
挙げていくときりがないくらいたくさんある。
ところが、だからといって『画家小説』と呼ぶにふさわしい作品があり余るほどあるってことにはならないのが辛いところである。
つまり、ミステリやモダンホラーというジャンルでは、絵が重要なテーマになる(あるいは事件の小道具として使われる)というような”絵画小説”は数多いものの、絵を描く人間の方に焦点を当てた”画家小説”というのは意外に少ない。と、わたしは思ったりするのである。
(いやそうでもないぞ、と思われたりする方は、コメントをいただければ幸いです)

実際に、画家小説百選のリスト作りの過程で思い浮かべていた候補作の内、例えば、ポオの「楕円形の肖像」や、オーガスト・ダーレスの「7人目の子供」は、いざ読み返してみるとどれも画家小説ではなくて”絵画小説”であることに気がついた。どちらもお気に入りの作品だけに残念である。とほほと泣く泣くリストから外したのでありました。

ピックマンが得意としたのは顔の描写だったのを覚えてるかい?全くの地獄の様相を事細かに、一連の顔つきや歪んだ表情を使って表現できたのは、ゴヤ以来ピックマンが初めてだと思う。ゴヤの前になると、ノートルダム寺院とモンサンミッシェルのガーゴイルやキメラを作った中世の連中まで溯らなければならない。
(黒瀬隆功訳)


そんな中で、ラヴクラフトの「ピックマンのモデル」(1926)は、なんど読み返しても立派な画家小説であった。作者に、世界に、感謝したい。そんな気持で読んだ。
ただ、この短編にも難点はある。
(世界ってそんなものだよね。本を読むにも苦労がある)
ピックマン氏をめぐる物語は、この短篇だけで完了するのではなく、あの壮大な『クトゥルフ神話』のなかに組み込まれていくことになる、ということに、遅ればせながら気がついたからである。
(迂闊な読者ってのはそんなものだよね。本を読むにもいろんな苦労がある)
以上、報告します。




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