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☆659. ディラン・トマス記念館

Dylan Boathouse



ディラン・トマス(1914-1953)は、例えば「Do not go gentle into that good night/あのやさしい夜のなかへ素直に入っていってはならぬ」という詩を書いた。英語の詩人としてはビッグネームである。大詩人の一人と言った方がいいのかもしれない。ボブ・ディランの名前の基となったという説もある。

この「Do not go gentle into that good night」という作品は、病床にある詩人の父親に対する愛情と哀しみの念を表したものだという。しかしそういう事情が判ったところで、日本人にとってこの詩がずいぶん判りにくいものだということは変わらない。例えば ”Rage, rage against the dying of the light” という一節、日本語の表現に置き換えて理解しようとするたびにはね返されてしまうことになる。もちろんここに原詩を紹介し、試しに拙い訳文を載せてみればいいのだろうが、既に 『これを譯した所でどういふことになるものでもない。』 (吉田健一、「書架記」) という先達の文章を知ってしまったからには、そんな蛮行をおこなうわけにもいかない。素直に、原文をそのまま受け止めて、ぼんやりと感じているほかはないと思ったりするのである。


ところで、わたしが好きなのはディラン・トマスの小説の方である。詩人らしく奔放で奇妙に 歪んだ想像力で綴られた短編群は、ただ惹かれるというだけではなく、わけがわかんなかったり後味がわるかったりというような結果をもたらすこともあるのだが、それでも一度読むと手放すことができなくなるような、そんな力にあふれている。

例えば、彼が55年に書いた「皮商売の冒険」(短中編集)は、独特のイメージに溢れ、キラキラした言葉とダークな暗喩が散りばめられ、ふうがわりな幻想小説、ダークなミステリ、散文詩のようなスケッチ、などで構成されていて愉しい。
特に、標題になった 「皮商売の冒険」という中篇には魅せられた。これは未完の作品なんだそうだが、その独特のイメージに惹きこまれる。あらすじを書くと、田舎からロンドンにでてきた少年が、突っこんだ小指が抜けなくなったビール壜をぶらさげながら街をさまよい歩くというような話なのだが、これではまったくこの作品の面白さがイメージできないと思う。結局は、読んでみたらのオタノシミなのである。
以上、報告します。

(ディラン・トマス記念館、ウェールズ)




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