817. エーリヒ・ケストナー 飛ぶ教室 (画家小説百選)

ワルター・トリヤー


ケストナーが書いた少年少女向けの作品には、ヴァルター・トリアーという画家のイラストが挿絵として使われていることが多い。邦訳でも、岩波少年文庫のケストナーの作品や、岩波版「ケストナー少年文学全集」の表紙イラストや挿絵には、トリアーの作品が使われている。
わたしは、彼の絵が大好きである。マルチン・ターラーがもし画家になっていたら、こんな絵を書いただろうか?



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クリスマスにヨーニーはこの禁煙先生に贈物をするはずでした。(中略)
マルチンは、両親が貧しく、半給費生だったので、お金をほとんど持っていませんでしたから、禁煙先生のために絵をかきました。それは「世すて人」という題で、菜園の色とりどりの花の中にこしをおろしている人物をあらわしていました。その人物は、垣根のそばで手まねきしている三人の少年を親しげに、しかも悲しげに見つめています。彼の肩と両手には、なついた小さいしじゅうからとこまどりがうずくまっています。きらきら光るちょうちょが彼の頭の上でおどりまわっています。
(高橋健二訳)


「飛ぶ教室」(1933)のマルチンが描いた絵のことを書くとすれば、もう一枚の『十年後』という絵についてふれなければならない。物語のなかでより重要な意味をもつのは、その『十年後』という作品のほうかもしれないのである。
でも、なぜか、わたしが好きなのは『世すて人』のほうである。
クリスマスの贈物として描かれた絵のほうである。
垣根のそばで手まねきしている三人の少年が小さく描かれている絵のほうである。




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