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63.ハインライン 宇宙の呼び声

「宇宙の呼び声」(1952)は、ハインライン・ジュブナイルの一作。
月世界の住民であるストーン一家が、小さな宇宙船を買い込み、家族で宇宙旅行に出かけるという話。「宇宙家族ロビンソン」を想像すれば遠くないと思う。とても楽しい話。

さいごに積みこむのは、宇宙貿易のための商品だった。
ストーン氏は、カスターとポルックスがつくった品物のリストをしらべてみた。(中略)
「問題はこの自転車だ」
「自転車は、いい思いつきでしょう?(中略)」カスターが自慢そうにいった。
確かに、自転車は、月や火星では、ひじょうに便利な乗り物だった。月でも、火星でも、地上には、地球のように交通機関は発達していないから、月上車がなければ、歩いていかなければならない。そこで、だれかが思いついたのが、自転車だった。
なにしろ月は、地球の六分の一しか引力がないから、自転車の通れないところでは、かんたんにかついでいくことができる。空気がないから、道のいいところを走ると、人間が足で歩くよりずっと速く走れるし、荷台に予備の酸素ボンベを積んでおくこともできるのだ。
そんなわけで、自転車は、二十一世紀の月世界で、たいへんな流行になったのだった。
だから、月には、中古の自転車がたくさんあった。カスターとポルックスは、それを、うんと安く、たくさん買いあつめて、火星へ持っていくつもりだったのだ。
(福島正実訳)


意外だったのは、今、読んでも充分に楽しかったこと。古びてもいず、風化もせず、当時の科学論や人間論に苦笑させられることもなかった。なにしろ50年以上前のSF小説、懐かしのアニメソングを無理矢理に聞かされるような気分になることを怖れたが、それは全くの杞憂だった。いやむしろ、現代のSFジュブナイルでも、こんなに楽しくて幸せな気分にさせてくれる本は滅多にないと思うほど。

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未来的な乗り物

世界広しと言えども、月で自転車を乗るシーンに出会ったのは初めてです。
なるほどと思いました。
ウェルズの『タイムマシン』の映画化作品で、主人公が21世紀の未来に立ち寄るシーンがありましたが、そこでは、主要交通手段が自転車になっていました。
自転車というのは、結構、未来的な乗り物ではないかと感じています。

こんにちは

たしかにSF映画では、よく自転車が登場するんですよね。
ところが、原作にもどって見ると、出ていないことがよくあります。ヴェルヌでもそれがあってがっかりしてしまったり^^


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