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821. ドン・デリーロ 天使エスメラルダ (画家小説百選)

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翻訳家の都甲幸治によれば、日本には、 『絶対的にデリーロが足りないのだ』 、そうだ。
たしかに訳書が少ない。訳書があっても絶版が多い。図書館でもあまり見かけない。
もちろんわたしの本棚にも、エゴン・シーレの絵が表紙に使われている文庫本が一冊、あるだけだ。だから(?)、デリーロの初の短篇集が訳出されたのを知って、すぐに飛びついた。・・・この短篇集が読めたことで、やっと、この作家の魅力が理解できたような気がする。わたしんちでも、今まで、デリーロは不足していたのである。

二人の女性は何年分もの堆積物が幾層にも積み重なっている空地の光景を眺めた。(中略)日没時には、解体された建物の低い壁のほうから銃声が聞こえてくる。修道女たちはパンのなかに座ったまま眺めた。ずっと奥に、孤立して建つ建物が一棟ある。捨てられた集合住宅で、かつて別の建物と隣接していた壁面が剥き出しになっている。この壁に、イスマエル・ムニョスと彼が率いるグラフィティ・アーチストの一団がスプレーで絵を描いている   近所で子供がひとり死ぬごとに、追悼の天使を描く。高い石壁のおよそ半分あまりが青とピンクの天使たちで埋め尽くされ、それぞれの天使の下に子供の名前と年齢が漫画の吹き出しに活字体で書き込まれている。
(上岡伸雄、高吉一郎訳)


「天使エスメラルダ」(1994)は、短篇集『天使エスメラルダ/九つの物語』(2011)に所収の作品。
物語の舞台はニューヨークのブロンクス、登場するのは数人の修道女とスラム地区に住む子どもたち、そしてグラフィティ・アーチストの集団。
・・・デリーロは、この短篇で、宗教を持ちえない時代における信仰と奇跡を描いているのだと思う。では画家の役割は何か?! 残念ながら即答できなかった。30頁余の作品のなかに圧縮されているものがとてつもなく多いのである。数時間くらい、考えてみようと思う。あるいは、数年くらい。



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