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823. 鳥と少女 (画家小説百選)

Uccello,MET

(『女性の肖像』(1450年代)、40 x 27.3 cm、メトロポリタン美術館蔵)


「鳥」こと、パオロ・ウッチェロ(1397-1425)の作品を見る機会は貴重だ。残存する絵が、とても少ないのである。
MET所蔵のこの絵も、果たして彼のものなのかどうか、いろんな論議が重ねられてきたらしい。
現在は、ウッチェロ作ではなく、"Master of the Castello Nativity"による作品と銘されているこの絵を、食いつくように見つめてみても、凡庸な眼には絵の中に"鳥の姿"が見えてきたりはしない。ただ500年以上も前の名匠の技と貴婦人の美貌に見とれるばかりである。

しかしもちろん、わたしにしてみれば、この絵がウッチェロの作品であると信じてみたい。
だがそれはすこし無理かもしれないと思えて来た。
澁澤龍彦の「鳥と少女」(1979)は、この初期ルネサンスの画家の姿を描いた短編であるが、そこにこんな一節を見つけたからである。・・・作中に登場するウッチェロは、こんなふうに独白するのである。

「肖像というものを、わしはもともとあまり好かんな。人間の顔は、人体のなかの一部分、さらに大きくいって自然のなかの一部分だ。わしには、それを独立させて扱おうという趣味はないな。」


「鳥と少女」は、作品集『唐草物語』に所収。
澁澤がウッチェロの物語を書くにあたっては、ヴァザーリの「美術家列伝」と、シュウォップの「架空の伝記」から想を得たのだという。
「架空の伝記」については、また別に記事を書こうと思う。



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