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826. ディーノ・ブッツァーティ 誤報が招いた死 (画家小説百選)

石の幻影



「誤報が招いた死」、邦訳は短編集『石の幻影』(1998、河出書房)に所収。10ページほどの掌編である。ブッツァーティ の50~60年代の作品らしい。

主人公として登場するのは壮年の画家、ルーチョ・プレドーツァーニ。
ある日、朝刊に、自分の死亡記事が載っているのを見て驚く。

「さあ、読んでごらん!」画家は妻に新聞を見せながら、呻くように言った。
妻は新聞を見るなり真っ青になった。そして、女性のあの理屈抜きの感情に駆られて絶望的な声で泣き出した。「ああ、ルーチョ!今は亡きルーチョ、私の大切な人---」と涙ぐみながら、口ごもるように言った。
その様子を見て、夫はとうとう腹を立てた。
「おい、お前、気が狂ったのか、マティルデ?いったい、私がここにいるのが見えないのかい?---」
(大久保憲子訳)


こんなふうに物語は、ユーモラスな調子で始められるのであるが、そこはそれ、短編の名手、ブッツァーティの作品である、そのままの調子で終わるわけはない。
ひたすら軽妙に、それでいてとことんシニカルに、画壇や、作家たちや、ぼくたちの世界を描いていく。

読後感は、ああ哀れなわたしたちの世界を救いたまへ、である。
以上、報告します。



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