829. R.A.ラファティ 深色ガラスの物語 (画家小説百選)

「深色ガラスの物語」(1981;副題、非公式ステンドグラス窓の歴史)、邦訳は、青心社版の短篇集『翼の贈り物』に所収。 物語の視点は、空間的にも、時間的にもきわめて壮大!、言わば"ラファティ版世界史"の一片を見るような気持ちにさせられる作品である。
その一方で、書き綴られる物語の細部はあきれるほど克明!、
まるでミニマル・アートのようなのである。
…ラファティの読者としては、とりあえず、笑っておくしかないか?!

ネアンデルタール人の作った家や体育館、洞窟が見事なステンドグラス窓で飾られていたのは紛れもない事実であるが、ここにはちょっと補足説明が必要だろう。(中略)
はるか後の時代、ネアンデルタール人が姿を消した後、今日に及んでも、"霜巨人"、あるいは単に"自然気象"がガラス窓に霜の絵を描くという言い方をする時がある。だがそのような場合でも、それはあくまで絵のように見えるだけであって、本当の絵であるとは言えない。(中略)
それでも、その心を使って描いた、という言い方は可能だったろう。どんな絵を描いてほしいか、だいたいのイメージを示して、気象の霊、つまり『世界の生ける霊』に描いてくれるように頼んだのだ。そもそも『世界の生ける霊』の中には、ネアンデルタール人になっていたものもいたのだ。
(井上央 訳)


引用したのは、物語の冒頭である。
もちろん、ここから、この物語はとんでもないところまで飛んでいって、みごとな場所に着地する。
読者はといえば・・・、とりあえず、拍手しておくしかないか。



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