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841. ジョン・スラデック ベストセラー (画家小説百選)

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ジョン・スラデックの「ベストセラー」(1966)、
邦訳は柳下毅一郎編の短編集『蒸気駆動の少年』に所収。
スラデックらしい軽妙な作品である。
この”軽さ”加減、好きだなあ。
スラデック・ファンには、たまらない一篇。

 力強い短い文章で、ビルは述べる。かれはエッタを愛している。ほかのだれでもない。ほかの連中は火遊びする暇があるかもしれない。だがビルにはない。一生かけて職から職へと転々とする人生を送りつつ、いまや自分が求めるものがわかった。絵を描きたいのだ。(中略)
 エッタのヌードを描きたい。フレスコ画で十階建てくらいのサイズで、自分の彼女に対する気持ちを。彼女の持つものに名前はいらない。
 だがエッタは南部娘ギルダに対するレスボス的な片思いを抱いていて、そのギルダは男役ドリーに夢中だ。ほんものの男なら吐き気がしそうな光景。
 ドリーはその間、自分自身のイカレた旦那、こずるきディッキーに別れを告げる。でもかれはいつもながら男ヴァン・クックに色目を使っている。もっとも、クックがエイドリアン・ワーナーにへつらう様子を見てまだかれを男扱いできればの話だが。
 少なくともエイドリアンは本物の根性を持っている。かれは目下の話者の細君テダに岡惚れしている。テダは根源的な去勢する女だ。ビルを去勢して絵描きをやめさせようとしている。そうすればヌードのエッタの絵が描けないからだ。テダはそこまでは認める。
 そしてビルを愛していることを認める。
(山形浩生訳)


SFでも、ミステリでもなく、あえて分類すれば、笑劇か、或はナンセンス・コメディと呼ぶべきか。
編者によれば、ダレルの「アレキサンドリア四重奏」のパロディでもあるというのだが・・・、ほとんど元ネタの面影はない。

以上、報告します。




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